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zoom RSS 蜘蛛の糸  ★ 私家版

<<   作成日時 : 2014/07/20 15:31   >>

ナイス ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 14

ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好い匂いが、絶間たえまなくあたりへ溢れて居ります。


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                      極楽は丁度朝なのでございましょう。



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                          図にのってみました



蓮池の絵をFBに投稿したら、

芥川の<蜘蛛の糸>を連想して下さった方がおられたものですから・・・・・










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                         こちら

                    我が家に、ひと月ほど間借りしていた蜘蛛です





             

ある日のことでございます。

梅雨らしき雨も落ちず、午前の時間が白く濁らない頃でございました。


二階に設えたベランダに洗濯物を干し終わり、

心地よい風を上気した頬にあてておりました。


と、背後で何か気配がありました。

白く塗られた壁の角っこを利用して、一匹の蜘蛛がぶらさがっております。

ベランダの屋根から、ひと筋の歩みの栞を残してぴくりともしません。


「餓死でもしちゃったのかしら?」

そうッと近づいてつま先立ち、全長5センチほどの蜘蛛に顔を近づけました。

「わ@@@@ぁぁああ〜!」

絹布のシーツでも裂くような叫びだったでしょうか。

ガラッ。

ガラガラッ。

ご近所の窓ガラスが、何軒かこだましました。




突然、蜘蛛がするするするっと持ち上がったのです。

(生きてたのぉ〜)

後ずさりしたまま蜘蛛を睨みつけること5分・・・・・・。


すると、蜘蛛はすぅ〜〜っと下りてきて、

元の位置にカチッとはまるように納まりました。

八本の脚を二本ずつに束ねて×印をつくっています。


もう手を叩こうが、叫ぼうがびくともしません。


この日から、私と蜘蛛の我慢くらべが始まりました。

半透明な躰の上部は、まるで真珠玉のようです。

さっさと追い払うには惜しい気がしたのです。



ベランダに出るたび、

ちらりと視界に入れるのが私の日課になりました。

蜘蛛はいつもの定位置です。


たまに草を片手に至近距離まで近づくと、

びびっと躰を振動させて「まだ生きている」と知らせます。

網もはらず、こんな宙ぶらりんで餌を捕獲できるとは思えないのですが。



「くすぐるなら、右足の二番目を・・・」

こんなワル知恵を付けてくれた某・房さんがいたので、

素直に草の葉っぱで実行しました。


笑いました。

蜘蛛はぷるんぷるんと躰を震わした後、

脚を卍の形に変えました。

何かの構えだったのでしょうか。

すこし怒っているようでもありました。




何の変化もない平穏な日が過ぎていきました。

蜘蛛は、なんだか弱っているようにも見えます。



あれは、台風が近づいているときだったと思います。

糸がだらぁ〜んと1メートルにのびていました。

蜘蛛が力なく壁にくっついています。

さすがに、死んだと思いました。

そばの壁をトントンと叩いてみます。


叫びはしませんが、おののきました。



弱っていた蜘蛛が、脚を車輪にしての連続大回転ですもの。

それから定位置に納まると、いつもの×印に。

でも、どこか様子が違います。

足の揃えがみだらに感じられ、

すぐ上で糸が団子状に丸まってました。



「ごめん、ごめん」


よほど、あたふたさせたみたいです。

もう、そっとしておくことにしました。




そして、いま。

蜘蛛はどこかへ消えました。

台風が過ぎ去ったあと、蜘蛛の糸も跡形もなくなくなりました。

ひと月ほどの間借りでした。



あれは、

お釈迦様のお戯れだったのでございましょうか。

蜘蛛の糸に何か示唆があったやもしれず。

今頃になって、そんなことを考えています。



明日早く、古代ハスで有名な蓮池に出かけてみましょうか。

真っ白な大名蓮が、

眩しい朝のひかりを抱えていることでしょう。





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                   (追記)     見事な蓮の花でした

                                知人の写真を拝借しました








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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
よかった、更新してる。
読んでるからね。
くれぐれも、ブログを消しちゃったりしないように。
youko
2014/07/21 11:52
先程は、どうも・・・ありがとサン。
壊し癖があるようで、たまにすっきりしたくなるのは事実。

ほんとうに書きたいこと、
創作の形でしか叶わないのかもしれない。
本体のない試食品ばっかり作ってるみたい。
でも、続けてみるね。
七海
2014/07/21 13:33
いきなり芥川龍之介の「蜘蛛の糸」にどきり、さて何の話だろうと読み進めていくと今度はベランダに住み着いた実際の蜘蛛の描写。その描写が、志賀直哉のどんな作品だったかは忘れてしまいましたが、中学の国語の教科書にあったような、描写を思い起こさせてくれました。
文学の香りがするブログ、私も描いてみたいな。ちょっと私には根気もなく、無造作に書いているだけ、反省です。
ところで、蜘蛛、ちょっと違う蜘蛛ですが今日のブログにひとコマ載せました。
茜雲
2014/07/21 17:56
茜雲さん

>文学の香り?
ただ今、冷や汗のにおいが・・・!
でも、端正な文を書かれる茜雲さんに言っていただくと、
素直にうれしいです。

蜘蛛の写真、うまく撮れませんでした。とほっ。
昆虫を見事に撮影される茜雲さんって雲の上のお方です。

七海
2014/07/21 20:04
なんていう蜘蛛だろう、と思って、調べてみました。
画像がはっきりしていないので、違うかもしれませんが、アシダカグモではないかと思われます。
アシダカ=カンダタ 
似てるような、似てないような。

アシダカグモはゴキブなどを食べてくれる益虫だそうです。

峰猫
2014/07/22 22:08
訂正です。ゴキブ、ではなく、ゴキブリでした。
絵文字あるんだ〜。
峰猫
2014/07/22 22:10
峰猫さん

さすが調べ魔ですね。
分からないことをそのままにする私にとって
前のブログの葉っぱから葉が出る植物の名をセイロンベンケイソウとメールしてくれた人がありました。みんな、素早いんだ

で、アシダカグモを確認しました。
なんか違う。うちの間借り蜘蛛はもっと華奢で、胴体は5ミリぐらい。
半透明な上半身が色っぽくて、ゴキブリなどとてもとても
でも、カンダタとアシダカ・・・「そうかもね」と思ったり。

今夜、暑すぎて夫婦でだらだら呑んでました。
夫の高校時代の俳句の話題になり、当時の兄弟の句を懐かしんでました。

石切り場 石ばかり群れ 風光る

土工いま 目の前過ぐる 汗満身

兄と弟のそれぞれが表れていて興味深く、
これを肴にまた呑みすぎました。
おすそ分けしますね〜〜

七海
2014/07/23 23:57
七海さんにしか見えないマボロシ・・・
かと思いきや、写真に残っているということは
ホンモノの蜘蛛だったのですね。
なにかがこっちを見ている−
そんな気配は、たしかに、虫からも感じることがありますね。
とうい
2014/07/26 13:31
>本体のない試食品ばっかり作ってるみたい。

上のコメントを拝見しました。
わたしも、試作品ばかりで、なかなか品質が、、。
ちょっと似たような感覚を覚えていました。
とうい(追伸)
2014/07/26 13:34
とういさん

写真が無かったら、マボロシと思われたでしょうね。
でも、ほぼ現実でした。
再三、報告を受ける家人が、
私の擬態蜘蛛のパフォーマンスに呆れながら、
重い腰をあげて確認に行きましたから。

>追伸
とういさんの場所に立ち寄るのは、
酸素濃度に共通のものを感じるせいだと思いました。
自分の矢印が磁気を探してプルプルしてます。
>試作品
あざとさが見える試食品より、ずっといい。
七海
2014/07/27 10:19
ご無沙汰しています(^^ゞ。
ハッチョウトンボの記事を載せたら、七海さんの記事を読みたくなりました。
この世界観、さすがです(^^)♪
やまや
2014/07/27 10:34
やまやさん

お久しぶりです。
ときどき、元気な親子の事をのぞいてますよ。
ハッチョウトンボですか、見に行きましょ♪
七海
2014/07/27 15:50
魅力的な絵ですね。
どうせなら、蜘蛛の糸全部、絵にされたらいかがですか?
ごろー
2014/08/13 16:10
ごろーさん

いろんなところにコメントをありがとうございます。
朗読で、ひょんなご縁ができたかしら。
蜘蛛の糸・・・いけるかも!
七海
2014/08/13 16:36

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